約束の指にキスして。
『俺かわりに行くから良いよ、映輔。』

『マジで?サンキュー。じゃ、宜しくな!』

そうだ。
確か、映輔って言ったっけ、あの人。
映輔君は手をふりながら廊下の向こうへと消えて行った。


『大丈夫か?』

健司は拾っていた教科書とお菓子をアタシに渡す。
アタシは震える手でそれを取ろうとしたけど、無理でトイレに駆け込んだ。

散々吐いた後出ると、健司と桔平が外で待ってくれていた。

『大丈夫か?』

『ぅん、平気…ありがと。』

健司の手から荷物を受けとる。
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