約束の指にキスして。
二人の大好きな事を犠牲にしてまで、自分を守って欲しくないよ……。

『ぉにぃちゃん。』

『なんだ?』

『アタシ、ここにいてもいい?迷惑じゃないかな?』

『…。』

ピーッと梓先輩の笛がなる。フットワークを終えた部員達はボールを手に、シュート練習を始めた。

それに目を奪われていたアタシの頭に、お兄ちゃんのでっかい手が降りてきて、鼻をギュッとつまんだ。

『そんな訳ねーだろ。』
< 61 / 526 >

この作品をシェア

pagetop