約束の指にキスして。
眼鏡姿の健司がタオル片手に梓先輩の肩を軽く押した。

『…リョウ兄、この人黙らせてよ、五月蝿いから。』

梓先輩がお兄ちゃんの腕の中におさまる。
すると、ほっぺを膨らませた梓先輩はお兄ちゃんの腕をつかんで休憩所へと消えていった。

『…健司。』

『ん?なに?』

休憩所へと向かって歩く二人を見つけ、健司にドリンク、桔平にドリンクとタオルを渡す。
そしてアタシが目の周りをジェスチャーで示すと、健司は頷いて眼鏡を外した。
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