約束の指にキスして。
『あ~これ??コンタクトはずれてさ。でもねぇと見えねぇし。だから眼鏡。』

健司は普段眼鏡をつけない。かなり目が悪いけど、健司は眼鏡は好きじゃないと言って、コンタクト派なのだ。
バスケをするとき、邪魔なんだとか。
頷いていると、突然大きな声が廊下に響いた。

『瑛梨ちゃん~♪』

そう言って、向こうから手を振ってくれる先輩達が数人。
私は、反射的に健司の後ろに隠れる。

本当に良いんだろうか。
私がバスケ部にいて………。

いちいちこんな反応されると、結構傷つくんじゃないかな…。
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