約束の指にキスして。

まって。

『はっ、はぁ..……はぁ、はぁ…』

足を交互に前に出す。
肺が痛い。
足が重い。

憂鬱になり始めたころ、空にポカッと浮かんだ雲を見つけた。
こころなしかハートがた。

立ち止まって、少しだけ見とれる。


今は、体育の時間。持久走で、あと30分で残り一㌔を走り抜かなければならない。

何を隠そう、アタシは体力がなく、やる気があるのに体がついていかない。

『おーい、瑛梨。』

呼ばれて振り替えると、健司と、真冬に半袖短パンの桔平がいた。
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