約束の指にキスして。
『きゃあ!』

グラッと揺れ、思わず健司の首に抱きつく。
健司のシャンプーの匂いが鼻腔に広がった。

『わりぃ。』

そう言って健司はアタシを地面に下ろす。

二人とも持ち上げたりだっこしたり……人を子供みたいに。

ちょっと膨れていると、ゴール100メートル手前で先生達が叫んでいた。


『サボんなソコの二人!一位は購買の常に売り切れ限定焼そばおごってやるぞ~!』

『え!?マジ!??』

『…俺まだ食ったことねぇんだよな……。』

< 75 / 526 >

この作品をシェア

pagetop