約束の指にキスして。
そう言って二人はヨーイドンで走り出した。
二人とも全力失踪。
どこにあんな体力が残ってるのか。
ってか、一緒に走るって言ったくせに。

私より食べ物ですか。


半ば呆れながら走っていると、後ろから声をかけられた。

『瑛梨ちゃん。』

横に、私より20センチ位高い男の子が横に並んだ。
今時系の、かっこいい男の子。
その子はアタシに手をのばしかけ、アタシのちょっとした拒絶反応を見ると、慌てて手を引っ込めた。
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