約束の指にキスして。
そう言うと、桔平は黙り込んだ。
『あとね??桔平は私なんか気にしなくて良いから。部活ではバスケの事だけ考えて?アタシ、大丈夫だから。』

『分かったから…。そんな泣きそうな顔しないで。』

桔平がアタシを抱き締める。

泣きそうな顔してるのは桔平だよ。

ごめんね…。
そんな顔させてるのは私だね。

桔平の背中に手を伸ばしてさする。

大きくて、馬鹿で、優しくて、お人好しで。
アタシの事になると必死でアタシを守ってくれる。

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