約束の指にキスして。
『キャハハハ!桔平まぢウケるって!』

『ひでーなお前!』

『やだも~つねんないでよっ!』
楽しそうな声が響いてきて、アタシは教室に踏み込む一歩手前で踏みとどまった。
窓際の席に…桔平と、数人の女の子。
桔平の手が、女の子の頬っぺたを掴んでいた。

あ…あれ、桔平がアタシによくやるヤツ。

なんで???
頭のなかに、クエスチョンマークが泡みたいに増えていく。

なんかあったのかなって、心配しながら来たのに…こう言うことか。

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