約束の指にキスして。
心配したのに…なんかショック。
自然に足が右回りをしたとき、柔らかな壁にぶつかった。

『瑛梨?』

『あ、健司。』

『桔平来なくてさ。瑛梨も迎え?ったくアイツはよ~~。』

『うっ、ぅん……健司。』

『ん??おぃ、どうした?』

『なんでもない…』

健司の腕のなかに潜り込む。
こうすると、さっきまで溢れてたモヤモヤが少し消えるような気がして……。

そうだよね。
アタシに気にする資格なんてない。
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