約束の指にキスして。
引っ張られた腕に、足が動かない。
アタシが動かないと、桔平が不思議そうにアタシをみた。

『どうしたんだよ。変だぞ??』

『だって…戻りたいんでしょ?行けばいいよ、別にアタシと一緒にお弁当食べなくても…』

『…なんで今日はそんなこというの。』


桔平がアタシを顔をのぞきこむ。桔平は、アタシの頭に手を乗せた。
まるで子供をあやす父親のように。

『俺は、瑛梨と一緒にいたいの。一緒に弁当食いたいの。お前と。』
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