約束の指にキスして。

さんにんside

『瑛梨ーー。今、梓先輩家の車に荷物つめるって。かして。』

ワイシャツを腕まで捲った桔平がアタシの腕から鞄をとる。
そして、健司をアタシの近くに置くとそのまま玄関へと走っていった。

季節は夏。
入学してから3ヵ月がたった。
皆夏服に身を包む今日この頃。

あたし達男子バスケ部は、明日から2泊3日の合宿と称した旅行に行くことになっていた。

行き先は、梓先輩のお爺ちゃんが経営している、海の近くの旅館。
今日は半日授業だから、午後には梓先輩の家のマイクロバスで出発する予定だ。

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