好きな人に「性別を変えたい」と言ってみた
僕の隣にいるのは、留学して最初に仲良くなったアンジー。身長が百八十センチもあって、バスケットボールが得意。少し癖のある栗色の髪をしていて、明るい性格の彼は大学でとても人気者だ。おまけにイケメンだし。
そんなアンジーは、アメリカに来たばかりで戸惑っていた僕に優しくしてくれて、休日は色んなところに連れ出してくれた。アンジーは桜並木のあの場所がお気に入りで、今年も二人で見に来たんだ。
「おい、静」
春風に舞って散っていく桜を見ていると、不意にアンジーの指が僕の髪に触れる。どうやら花びらがついていたみたいだ。
「取れた!って、こんなことは可愛い恋人にされたいよな。ジェシカやサマンサ、お前に気があるみたいだぞ」
花びらを取って笑うアンジーの笑顔を見ていると、胸がギュッと苦しくなる。それはアンジーに対する恋心からでもあるし、やっぱり周りから見て自分は男なんだと突き付けられた痛みも混じっている。
僕は、自分のことを男だと思いたくない。ずっと女と思って生きてきたのに……。
そんなアンジーは、アメリカに来たばかりで戸惑っていた僕に優しくしてくれて、休日は色んなところに連れ出してくれた。アンジーは桜並木のあの場所がお気に入りで、今年も二人で見に来たんだ。
「おい、静」
春風に舞って散っていく桜を見ていると、不意にアンジーの指が僕の髪に触れる。どうやら花びらがついていたみたいだ。
「取れた!って、こんなことは可愛い恋人にされたいよな。ジェシカやサマンサ、お前に気があるみたいだぞ」
花びらを取って笑うアンジーの笑顔を見ていると、胸がギュッと苦しくなる。それはアンジーに対する恋心からでもあるし、やっぱり周りから見て自分は男なんだと突き付けられた痛みも混じっている。
僕は、自分のことを男だと思いたくない。ずっと女と思って生きてきたのに……。