好きな人に「性別を変えたい」と言ってみた

友達に男っぽく返事をして、女である自分を隠す。そして疲れて、自分を隠している罪悪感も混ざって、そのまま机に突っ伏してしまう。そんな時、心を高鳴らせるあの声が聞こえてくるんだ。

「静、面白いゲームしよう。罰ゲーム付きで！」

アンジーが何やらカードの入った箱を持ってやってくる。そして、僕の机にカードをドンと置いた。

「バトルラインやろう！」

「バトルライン？」

ルールをアンジーが教えてくれる。どうやら、九箇所で旗を取り合うゲームらしい。交互に数字カードを場に出していき、三枚のカードの組み合わせがそれぞれ完成した時に、どちらのカードの組み合わせが強いのかを競う。

「いいね、面白そう！」

暇だし、一人でいると性別のことでずっと暗くなってしまいそうだったから、僕はゲームをすることにした。

アンジーが手持ちのカード六枚を渡し、ゲームが始まる。一枚カードを出すと新しく補充され、アンジーもカードを一枚捨てた。アンジーがどんなカードを持っているのか推測し、戦略を立てていかなくちゃいけない。まるでポーカーみたいだ。