月夜に笑った悪魔 (番外編)
目が合ったのは、未玖ちゃんと巧くんで。
「おねーさん!!」
2人は手をつないでこっちに向かって走る。
月城岳を追い越して、私のほうへ。
2人が転んでしまいそうで、私も足を進めて2人のところまで行くと、ぎゅっと抱きつかれた。
「おねーさん、ケガだいじょーぶ?」
「……もう、いたくない?」
強く抱きつき、私を見上げる2人。
すごく心配そうな表情をしていて、私は2人の頭を撫でながら「大丈夫だよ」と返す。
未玖ちゃんと巧くんこそ、英雄だと思う。
2人が高校まで来て、『とめたい』と言ってくれたから私はそれに頷いて……。
紫乃も仲間になって、動くことになったんだ。
2人があの日高校まで来てくれなかったら、まだ一条組と月城組の戦いは続いていただろう。
2人がいてくれたことに強く感謝だ。