月夜に笑った悪魔 (番外編)


次に瞬きをした時には、ふはっと吹き出し大笑い。
堪えきれなくなったかのように声を上げて笑う。


響き渡る笑い声。


この状況でも急に笑い出すから、みんなが呆然とする。



岳は存分に笑うと、息をひとつつき。




「稲森紫乃は俺が1番信頼を置いてる部下だ。あいつは自分のシゴトを放棄してくたばるやつじゃねぇし、第一お前らなんかが殺せるようなやつでもねぇ。
それと、なんだ……一条が死んだ?はっ、笑わせんな。あいつを殺せるやつは俺しかいねぇんだよ。
俺以外のやつが一条を殺せるわけねぇだろうが」



バカにしたように言ったあと、今度は喉で笑う。


……岳は、1番知ってる。
暁と過去に戦っていたからこそ1番その強さをよく知ってるし、紫乃の近くにいたからその強さもよく知ってる。


……暁たちのことは心配いらないんだ。
信じて、今は自分たちのことを考えよう。


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