月夜に笑った悪魔 (番外編)


……月城岳が、“お兄ちゃん”してる。
あの月城岳が……。




「2人もよく来てくれたね。未玖ちゃんと巧くんにはアイスも用意しておいたんだ。たくさん買っておいたから、好きなものを選んでね」


にこりと優しく微笑む暮人さん。
その笑顔に、未玖ちゃんと巧くんはさらに嬉しそうに笑う。



「行こうか」


暮人さんは月城岳と肩を並べて、家へと入っていく。
そのあとに続くように紫乃と暁、そして私は未玖ちゃんと巧くんに手を引っ張られて一緒に玄関へ。



「暁、先に岳と未玖ちゃん、巧くんを居間へ案内してやれ。美鈴ちゃんと紫乃ちゃんは……ちょっといいかな?」


久しぶりの一条組の家。
靴を脱いであがれば、暮人さんは私と紫乃と目を合わせた。

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