月夜に笑った悪魔 (番外編)
さらに続けて響く銃声。
弾丸は男性の頬、腕、脇腹、足を掠める。
それはまるでわざとはずされているかのようだった。
「一条暁……!?」
この場にいる誰かが大きな声を出す。
それにつられるようにこの場にいる男性たちが目を向けた。
私もプールの出入口へと目を向けると、見えたのは──暁。
彼はこっちに向けて拳銃を構えてる。
今、私の目の前の男性を撃ったのはぜったい暁だ。
……ちゃんと生きてる。
……やっぱり死んでない。
信じてたけど、実際に無事な姿を見ると心に安心感が広がっていく。
「お前は死んだはずじゃ!?」
「死体だって確認したって報告が入ったはずだぞ!?」
驚いた表情で大きな声を出す男性たち。