月夜に笑った悪魔 (番外編)
驚きでとまった攻撃。
暁はその間に男性たちのすぐ横をすごい速さで走り抜け……。
こっちまで来ると私の目の前にいた男性の頬に自分の拳を入れた。
男性は吹っ飛んでいき、柱に強く背中をぶつけて気絶。
まわりの男性たちがその速さについていけず、あんぐりと口を開けてる。
「元月城組ぶん殴って適当に報告させたんだよ。自分の目で見てもねぇことを信じるとかバカすぎるな、お前ら」
暁は笑うと私に差し伸べた手。
その手につかまれば引っ張られて、私はプールからあがることができた。
ぽたぽたと垂れる水。
衣服が水を吸って体が重い。
「美鈴はよくやった。……あとは俺たちに任せろ」
暁は自分のジャケットを脱ぐと私の頭の上に被せ、背中を押す。
私はまた1番奥の柱のところまで走りそこに身を隠した。
それを確認した彼は次にある人物に視線を向ける。