月夜に笑った悪魔 (番外編)
響くのは鈍い音、怒声、銃声。
いろんな音が混ざっている。
2人とも、上がっている口角。
まるでケンカを楽しんでいるかのようだった。
圧倒的な力。
十数人いたのに、どんどん減っていく。
なんという早さ。
そして、なんという強さ。
暁と岳のコンビは最強で、最凶。
圧倒的な力の差を思い知ったのか、後ろのほうで拳銃を構えていた2人がたじろぐ。
じりじりと後ろに下がっていき、顔色を悪くしながら背を向けて走っていく。
逃げる気だ。
「岳!!」
暁が大きな声で呼ぶと岳は暁に目を向けて。
「……これっきりだからな」
小さくつぶやくと少し屈んだ。
暁は走って岳のほうへと行くと屈んだ岳の背中に足を乗せ、1歩、2歩、と進み。
岳の肩を踏むと、暁は高く飛んだ。