月夜に笑った悪魔 (番外編)


***


「本当にありがとう。きみたちには本当に感謝してもしきれないよ」


社長からこれでもかというほど何度も言われたお礼。


お礼を言われるたびに横では、岳と紫乃はすごく申しわけなさそうな顔をしていた。

爆弾を仕掛けていたり、社長の命を狙っていたのは自分たちの元仲間だったから。


謝っていたけど、社長は怒ることはなく。
笑顔で何度も感謝を伝えられた。



「もう遅い時間だし、きみたち2人は濡れたから風邪ひきそうだし、今日はここに泊まるといい。食事もぜひ用意させてくれ。
これはお礼だからもちろんお金はとらないよ」


差し出されたのは2枚のカードキー。


「あの、本当に大丈夫です。私たちは帰りますので……」
「疲れただろう。部屋は最上階の1番いい部屋をとってあるからゆっくり休むといい」


紫乃は断るが、社長はにこりと微笑み……押しに負けた。

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