月夜に笑った悪魔 (番外編)


カードキーを受け取って、私たちはエレベーターへと乗り込む。



正直、ここに泊めてもらえるのはすごくありがたい。


私の体はもう体力の限界を迎えてくたくた。
今すぐにでも足を伸ばしてゆっくりしたかった。


たくさん走ったから明日は筋肉痛確定だろうし、今日はお言葉に甘えてゆっくり休ませてもらおう。


……高級ホテルの最上階の部屋、ってどんな部屋だろう。
部屋は絶対きれいだろうし、普通に生きてたら絶対泊まれない部屋だろうな。




部屋の想像をしていれば、私はあることを思い出す。


このシゴトで、私には心残りがあった。


暁と岳がこつんと拳を合わせるところ、私はそこを見てない。
もし、あの時邪魔が入らなければ絶対やってたことなのに。


私が解除した爆弾を置き去りにしたばっかりに邪魔が入ってできなくなって……!
私のバカ~~!


本当に、暁と岳が拳を合わせてるとこ見たかった……!


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