月夜に笑った悪魔 (番外編)
いや、今からでも遅くない!
みんなでやればいいんだ!
「お疲れさま……!」
無言のエレベーター内。
私は声を出して、拳を出す。
暁、岳、紫乃の順番に顔を見れば、まず最初に拳を合わせてくれたのは紫乃。
私がやりたかったことをすぐに理解してくれた。
「お疲れさま」
紫乃は拳を合わせたままにしてくれる。
暁と岳は無言。
2人の間の空気は悪いわけじゃない。
ここに来る前よりもずっとよくなってる。
「2人も……!ほら!」
暁と岳を交互に見れば、暁の拳が先にくっつく。
そして次に岳も拳を出してこつんと合わせてくれた。
……もう、心配はいらなそう。
暁と岳が争ったり、仲良くなれないかもしれない、なんて心配は全部いらない。
今日を乗り越えた私たちは、これからも仲良くやっていけそう。