月夜に笑った悪魔 (番外編)
今日は来て本当によかった。
数秒後、音を立てて開いたエレベーターの扉。
合わせていた拳をおろすと私たちはおりていく。
「部屋割りは──」
紫乃が言ってる途中で、紫乃の手から1枚のカードキーを奪った暁。
そのカードキーを見ると部屋を確認して。
「じゃ、俺らこっちの部屋使うから」
暁は私の手をとると、引っ張って歩く。
彼につられて動く足。
えっ。
……え!?
カードキーは2枚。
つまり、部屋は2部屋。
2人と2人に分かれるのが普通、なんだけど……。
「ちょ、ちょっと待ちなさい……っ!」
私の反対の手を引っ張ってとめたのは紫乃だった。