月夜に笑った悪魔 (番外編)
「それは“普通”じゃ──」
紫乃が言い返している途中、彼女の腕を引っ張って歩き出す岳。
紫乃の私をつかんでいた手が離れて、連れてかれていく。
「岳様!?」
びっくりしている紫乃。
紫乃が岳を呼んでも岳はとまることはなく……。
部屋のドアをカードキーで開けて、2人は中へと入っていった。
「「…………」」
残された私たち。
とりあえず……ペアはこれでいいの、かな?
紫乃、頑張って……!
心の中で応援していると、「行こ」と引っ張られた手。
また暁に手を引かれて、私たちも隣の部屋へと入った。