月夜に笑った悪魔 (番外編)
「朝まで2人っきりだな」
ガチャン、と自動で閉まるドア。
暁の声があとから聞こえてきて、心臓がドキリと鳴る。
朝まで……2人っきり。
暁と、この部屋で……。
……そうなんだ、よな。
そうなんだよな!?
改めて声に出して言われると急に緊張してくる。
恋人同士がホテルの部屋に2人きり。
しかも超高級ホテルで場所もいい感じ。
……今日は、するのに適してる。
……するの、かな。
ふとそんなことを考えてしまう。
「は、ははっ」
私は暁の顔を見れず、笑って返すと靴を脱いで。
先に部屋の中へと足を進めた。
シゴトは無事に終わっても、まだ今日は終わらない。
どんな夜になるんだろう。