月夜に笑った悪魔 (番外編)
柔らかい感触が触れるからおでこが熱を持つ。
私を見つめるまっすぐな目。
その目はどこまでも優しい。
影が落ちてくるからゆっくり目を閉じた。
重なり合った唇。
軽く触れるだけのキス。
いったん離れると2回目、3回目、とまた軽く触れて離れる。
体だけじゃなくて心まで温かくなって、思い出したようにやってきた眠気。
今日は限界まで体を動かしたからか眠気に負けてしまいそう。
……あぁ、もうダメかも。
「暁、」
彼の肩にこつんと頭を乗せてゆっくり声を出した。
「ん?」
「……ねむい」
「ベッド行く?」
「……連れてって」
「女王様の頼みなら」
なにそれ、と笑うと肩と足に添えられた手。
次の瞬間には、感じた浮遊感。
お姫様抱っこしてくれた。