月夜に笑った悪魔 (番外編)
ぎゅっとつかまれば、あっという間にベッドに到着。
そこでおろされて。
親切に布団をかけてくれたあと、唇に落とされたキス。
「おやすみ」
キスは1回だけ。
頬を撫でると彼は離れていく。
私はそれが寂しくて手を伸ばした。
「……一緒のベッドで寝て?」
つかんだのは彼の袖。
部屋にあるベッドは2つ。
大きなベッドが横に並んでる状態。
ひとつのベッドが大きくて、広くて、1人で使っても充分すぎるほどの余裕がある。
だからそれぞれちがうベッドで寝るのは距離があって寂しい。
せっかく同じ部屋にいるんだからくっついていたい。
まだ離れたくない。
もう少しだけでも一緒にいたい。
暁を見つめれば、彼は……。
「腕枕してやろうか」
かけてくれた布団を捲って、中へと入ってきた。