月夜に笑った悪魔 (番外編)
「……寝る前に、俺のこと好きって言って」
また降ってくる声。
「好き」
素直に動いた口。
彼は「……ん」、と返事をするだけ。
「暁、大好きだよ」
「……わかったから。もう寝ろ」
もう1回言えば強制終了。
……なんだ、暁は。
言ってっていったのは暁じゃんか。
もっと言いたい気持ちもあったけど眠気がさらに広がって……。
「……おやすみ」
その言葉を最後に、瞼がおりて私は夢の中に溶けていった。