月夜に笑った悪魔 (番外編)
私が教室の前にいても、だれも気づかない。
みんな暁に夢中で、誰ひとりこっちを見ない。
あのー……、彼女ここにいますけど。
その人、私の彼氏ですけど!?
暁を囲む女の子たちが増えていって、ここから見えなくなっていく彼の姿。
少しだけ見えた暁は、特になにも言わずめんどくさそうに窓の外を眺めていた。
それでも諦めない女の子たち。
暁に話しかけて、クッキーを渡そうと頑張ってる。
心の中に溜まっていくモヤモヤ。
たとえ暁が女の子たちに興味なくても、彼女としては好きな男が女の子たちに囲まれているのはいい気はしない。