月夜に笑った悪魔 (番外編)


……それだけじゃない。
私は、やっぱりどこか不安になってしまった。



暁のまわりにいる子たちは、可愛い子ばかり。
暁が私を好きでいてくれている気持ちは信じているし、これからも信じたい、けれど。


……可愛い子ばかりでは、暁の気持ちが少しでも揺らいでしまわないかどうしても心配。



世の中には、私より可愛い子なんて山ほどいる。
私より暁にふさわしい子だって……いっぱいいる。


だから、気持ちが揺らぐことだってもしかしたら……。




消えない不安。


不安になってしまえば、足はこれ以上前に進まなくて。
声をかけることはできず、私は走ってこの場を離れた。

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