月夜に笑った悪魔 (番外編)
「一条様にジャージ借りたの?彼女アピールでもするつもり?」
「…………」
「美鈴じゃ釣り合わないくらいモテるもんね、一条様は」
「…………」
……嫌味ばかり。
由美は私を見下したように見てきて、私はすべて無視。
すぐに彼女の横を通り過ぎて教室に入ろうとした、が。
「美鈴、その汚い体でよく一条様のそばにいられるね?」
また聞こえてきた声に足をとめてしまった。
「さすがに何年も高橋和正と一緒にいれば、体の関係くらいはあったでしょ?そんな体、汚いじゃん」
心の奥底に深く刺さる言葉。
……なにも言い返せない。
「一条様の隣は美鈴にはふさわしくないから、早く消えて」
最後にそう言うと、由美は去っていった。