月夜に笑った悪魔 (番外編)
まぁ、いいか。
たぶんあともう少しで6時間目の授業が終わるチャイムも鳴ると思うし、私も今はくっついていたい気分。
「美鈴、」
呼ばれて振り向けば、顔が近づいて触れ合った唇。
触れて、すぐ離れる。
たぶん1秒も触れ合ってない。
「……嫌だったら言えよ」
また顔が近づくから、私はそっと目を閉じた。
軽く触れるだけの優しいキス。
暁は私を丁寧に扱ってくれる。
柔らかい感触、あつい熱が気持ちいい。
……ぜんぜん嫌じゃない。
「もう1回して……」
唇が離れた頃には小さく声を出して、何度も何度も触れ合った。
チャイムが鳴るまで、ずっと……。