月夜に笑った悪魔 (番外編)
「姉御?どうしました?」
靴を履いて外へと出たところで、外にいた組員に声をかけられた。
それからすぐあと。
「姉御……!」
後ろから聞こえてきた、大きな声。
その声は春樹さんのもので。
後ろを振り向けば、やっぱり春樹さんはいた。
「姉御、すみません……っ!」
彼も靴を履くとこっちまで来て、申しわけなさそうな表情をする。
「どうし──」
「お疲れ様です!!」
どうしたのかと思い聞こうとすれば、私の声は大きな声に遮られた。