月夜に笑った悪魔 (番外編)


「私、ちょっとお散歩してくるね~」


ひらひらと手を振って、私は門の方へと向かう。
けれど、すぐに大きな手につかまれて制された。


「酒だと気づいてバクバク食ってた美鈴も悪いんだし、そんな気にすんなよ。
ちょっと美鈴連れて風に当たってくる」
「本当にすみません……。寒いですからせめて上着でも着て行ってください。今持ってきますね」


「あぁ」


暁と春樹さんの会話。
すぐに春樹さんは走って、ジャケットを持ってきてくれて。


暁はそれを受け取ると、私に差し出した。

< 211 / 382 >

この作品をシェア

pagetop