月夜に笑った悪魔 (番外編)
暁から離れて、いつまでも流れている音声をとめ、スマホを操作してなんとか音声を削除。
これで……大丈夫。
もう誰かに聞かれる心配はない。
ふぅ、と息をひとつつく。
「俺が今の音声、どこにもバックアップとってないと思った?」
下から聞こえてくる声。
彼に目を向けると、起き上がって。
「バーカ」
私のおでこにデコピンをひとつ。
……そうだ。
……深く考えていなかった。
バックアップをとってる可能性、なんで私は考えなかったんだろう。
っていうか、バックアップとるくらいそんなに大切なものでもないよね!?
「俺は一応おまえの恩人だし、しばらく目覚ましアレにしてもいいよな?」
消してよ、とまた言おうとしたところで暁は私から自分のスマホを奪い返す。