月夜に笑った悪魔 (番外編)


「……っ」


そんなことを言われてしまえばなにも言えなくなる。

本当に、暁は私の恩人で……迷惑をかけたから。



なにも言い返さない私を見ると彼は笑い。
立ち上がると、スウェットを脱ぎ出した。


目に入る裸体。


私は瞬時に目を逸らす。


「ちょっ……!なんで脱ぐの!」
「俺、今日もシゴトだから着替えねぇと」


「私がまだいるからもう少し着替えるの待ってよ!」
「付き合ってんだから見ても問題ねぇだろ。つーか、もう俺のカラダ見慣れてるんじゃねぇの?」


もう何度も見てんじゃん、という彼だけど私はぜんぜん慣れてない。
朝から心臓がドキドキと暴れてる。


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