月夜に笑った悪魔 (番外編)
学校で進路希望調査の紙が配られた。
その1枚の紙を見て、やってくる不安。
別に、それはその日はじめて配られたわけじゃない。
高校2年生になってすぐに配られたし、夏休み前にも配られた。
今まで配られた時は軽い気持ちでいたし、組関係のことでいろいろあったから自分の進路なんて深く考えなかったけど……。
高校2年生の12月ともなれば、さすがにやばいと思いはじめた。
自分の将来を思い浮かべて、まっさきに浮かぶのは、一条組の家で1日中ぐーたらしている自分の姿。
自分の姿が簡単に想像できて、さらに怖くなってくる。
ただでさえ今なにもしてないのに、高校を卒業したあとも、なんて……。
……さすがにそれはだめだろう。
お世話になりっぱなしのこの家に、いつまでもなにもしないでいるっていうのはさすがによくない。