月夜に笑った悪魔 (番外編)
学びたいことも特になにもないから絶対進学はしないし、私は働いてお金を稼ごう。
一条組に住まわせてもらってる身として、せめていくらかお金をこの家に入れよう。
一条組はお金持ちだというのはわかっているし、高卒の給料なんて少ないだろうけど……お金はいくらあってもいいよね。
っていうか、私は時間に余裕があるし今からでもバイトしてお金を稼ぎたい。
そう思ってまず暁に許可を取ろうと彼の部屋に行ったら、私が口を開くよりも先に彼が口を開いたのだった。
「しばらくシゴト入って、クリスマスもシゴト行ってくる」
わるいな、と付け足して謝られる。
クリスマスは恋人と過ごすイメージがあったから、約束はまだしてなくてもなんとなく私は暁と一緒に過ごすのかと思っていた。
一緒にいられないのはすごく残念。
……でも、暁が謝ることじゃない。本当に仕方がないことだから。
暁は、最近本当に忙しそう。
学校行ったあとにシゴトに行ったり、学校休んでシゴトに行ったり。
帰って来れない日も何日もあって、とにかく彼は多忙。
シゴトが忙しすぎて、この間できなかったデートだってまだ改めてできていないくらいだ。