月夜に笑った悪魔 (番外編)
「お世話になりっぱなしはいやだ。私は、お世話になりっぱなしでずっとこの家にいたくないの。せめて自分の生活費くらいは自分で出したい。
高校生のうちは毎月お金を入れるのは無理かもしれないけど……将来就職したら毎月ちゃんとお金を入れるから」
自分の気持ちをしっかり暁に伝える。
これでどうか、と思ったんだけど……彼は。
「おまえがバイトする必要も、就職する必要もねぇ」
どうやら反対みたいだ。
……就職も必要ないって。
なんでそこまでしてだめなのか。
「一条組にお金があるって言ったって、お金はたくさんあるぶんにはいいじゃんか。少ないより多いほうがいいじゃん」
「…………」
「就職も必要ないって言ったら、私将来ただのニートじゃん。それはやだよ」
このままだと本当にニートになりそうで怖い。
自分の将来が怖すぎる。