月夜に笑った悪魔 (番外編)


「姉御、お疲れ様です!」


駐車場にとまっていた、見慣れた黒塗りの車。
春樹さんが出てくると、後部座席のドアを開けてくれた。


バイトの送迎はいつも車。


1人でいると一条組に恨みを持つヤクザの人たちに狙われるかもだからこうなったけど、私がバイトすることで春樹さんの仕事を増やしてなんだか申しわけない。



「春樹さん、ありがとう」


お礼を言ってから、車へと乗ろうとしたら「あっ」と声が出た。


ドアが開いているから明るくなってる車内。

見えたのは、後部座席に座っていた暁。



黒服姿で、たぶん彼はシゴト帰り。
春樹さんが暁を迎えに行って、次に私を迎えに来た可能性が高い。


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