月夜に笑った悪魔 (番外編)


襖は閉められて、常夜灯が照らす薄暗い部屋に2人きり。


ドクドク鳴る心臓。
暁と目が合うのも、彼から私に触れるのも、なんだかすごく久しぶりに感じる。




「な、なに……」


なんて言おうか迷って、最初に出た言葉はこれ。
言った後にもっとほかになにかあったな、と後悔。


「俺に抱かれに来た?」


ゆるりと上がる彼の口角。


「なっ!?」


なにを言ってるんだ、暁は……っ!
そ、そ、んなこと……っ。


「こ、これ!!サンタさんからのプレゼント、落ちてたよ!!」


押し付けるように渡した、持っていたもの。


置いておくだけだって思ってたのに自分の手で渡すことになるとは……。



渡されたものを彼はじっと見る。
外袋を開けて中まで見てるから、



「さ、サンタさんね、“いらなかったら捨てていいよ”って言ってた」


私は小さく付け足す。


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