月夜に笑った悪魔 (番外編)
……恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。
熱くなっていく顔。
顔を見ていられなくなって、勢いよく布団に入りなおすと暁に背を向けた。
「それ……期待していいってことだよな?」
ぎゅっと強く目を瞑れば、背後から聞こえてくる声。
確認するように彼は聞いてくる。
「……うん」
小さくうなずく私。
その日、ついに私は暁と……。
覚悟は決めたのに今からドキドキしてくる。
想像だけでも心臓が壊れそう。
「大晦日、私、バイトあるから……そのあとね」
「絶対早くシゴト終わして迎えに行く」
「……待ってる」
背後からまわってくる手。
その手に強く抱きしめられて、眠りについた。