月夜に笑った悪魔 (番外編)
瞬きをしていれば唇が重なって、離れたら今度は首元に顔を埋める。
ちゅうっと強く吸いつかれれば、反射で高い声が漏れてビクッと跳ねた体。
その隙をつくように肩を押され、簡単に私の体は倒れていく。
ぽすん、と倒れたのは柔らかい布団の上。
次に瞬きをした時には、彼は私の上に。
顔に影が落ちてきて……
「えっ、あっ、ちょ、ちょっと……。ちょっと待って……!」
キスされる直前、慌てて彼をとめた。
ピタリととまる暁。
「なに?」
「えっ……なに、はじめてって……」
「そのままの意味だけど」
「えっ?」
「一途なんでね」
彼は数センチの距離をつめて、唇にキスを落とす。
……そ、う、なんだ。
暁が……はじめて。
私がはじめての相手……。
なんてドキドキしながら考えていれば、再び首に触れた柔らかい唇。
「やぁ……っ」
小さく体が跳ねて、彼の袖をつかんだ。