月夜に笑った悪魔 (番外編)


暗くなる部屋。
薄いレースのカーテンが閉まってるだけだから、少し月明かりは入ってくる。


だから……それなりには見える。



彼が戻ってきて、ギシッと軋むベッド。

私に触れる前に暁は自分の服に手をかけるから、


「……まって」


ととめた。


暁は今、服を脱ぐ気でいた。
自分で脱ぐ気で……。



「私が脱がせたい……」


それは本当に急に思ったことだった。
自分でも大胆なことを言ったと思う。


「へぇ?」


とまる彼の手。
服から手を離すと


「脱がせて」


と彼はベッドに座った。


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