月夜に笑った悪魔 (番外編)


「……うん」


うなずいて、起き上がる。
まくり上げられた服をおろすと、彼の目の前へ。



緊張で手が震える。
暁がじっと私を見てくるから余計に……。


「……手、あげて」


膝立ちになって彼が着ているスウェットに手をかけると、私の言う通りに彼は手を上げて。

スウェットと中に着ていたシャツを脱がした。



……色気がない脱がし方。
どうやるのが正解なのかわからない。



見えたきれいな裸体。


骨ばった鎖骨に、きれいにわれた腹筋。


色っぽすぎてまっすぐ見ることができない。
彼の裸体は何度か今までにも見たことがあるけどぜんぜん慣れない。




「じゃあ次は俺の番だな」



声が聞こえたのと同時、手に持っていた彼のスウェットとシャツを奪われて、彼はそれを床へと放り投げた。



そして肩を押され……次に瞬きした頃には私の視界に映ったのは、天井。


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