月夜に笑った悪魔 (番外編)


「上脱いだから美鈴も脱がねぇと」


今度は暁が私の視界に映る。

一瞬で私は押し倒され、また暁が上にいる状態に。



「……っ」


スウェットの下に手が侵入すると上へと滑っていって、まくり上げられたスウェット。


下着が露になれば、彼はそっと手を伸ばして……大きな手のひらが優しく包み込む。



今まで彼に触れられたことのない場所に触れられてうまく息ができない。
呼吸の仕方さえもわからなくなる。



彼は顔を近づけると、胸元に唇を落とす。

それから背中に手をまわすと触れたのは……下着のホック。


プチン、と音がすると胸を締めつけていたものから解放。


緊張と恥ずかしさで変に体に力が入ってしまって、私は胸元を手で隠した。




「……あかつき、」


彼を呼べば、降ってくる優しいキス。
そのキスは「大丈夫」と言ってるみたいだった。



「俺にぜんぶ見せて」


まっすぐな瞳。
その瞳に見つめられて……私はゆっくり胸元を隠していた手をどけた。


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