月夜に笑った悪魔 (番外編)


「ま、まだ1年あるよ!いっぱい一緒にいて、いっぱい思い出作ろう!」


別に今すぐ卒業するわけじゃない。
まだ1年ある。


だから卒業する時には寂しさなんて忘れるくらい、たくさん楽しい思い出を作っておきたい。


ね?、と彼に言うけど……彼は無言。

まだムスッとしてる。



そんな彼のおでこに私はキスをひとつ。
これで機嫌がなおるかな、と少し期待したら


「……口にキス」


ぼそっと聞こえてきて。

言われた通り唇にキスを落としたら、少し機嫌がよくなった。




「ちょっ……」


機嫌がよくなったかと思えば、スカートの下に滑り込んできた大きな手。


上へと滑らせるから、その手をつかんだ。


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