月夜に笑った悪魔 (番外編)



暁とは一度体を重ねたあと、そのあとも数回した。

誘いは本当にいつも突然。



「いい?」


下から顔をのぞき込まれる。


上目遣いでお願いするように聞いてくるから、それはずるいと思う。



……可愛いから断れないじゃんか。
……別に、断る理由も特にないんだけどさ。



小さくうなずくと、彼は満足そうに笑った。




──キーンコーンカーンコーン

校内に鳴り響くチャイム。



「2人で授業サボろ」


立ち上がれば、彼に手を引っ張られた。


「なに言ってんの……!」


授業をサボるその積み重ねが留年につながるのに。
しっかり授業受けてノートとって、次のテストに備えなくちゃ。


「どうせ授業中寝てんだろ?教室行く意味ないって」
「寝てない!」


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