月夜に笑った悪魔 (番外編)
早足で進んで向かったのは、寝室。
ここに来た時点でもしかして今日も……なんて思ったけど、やっぱり。
暁はする気だ。
大きなベッドの上に、押し倒された私。
私の体が倒れると彼は私の上に覆いかぶさり、手をかけたのはブラウスのボタン。
上からプチンとはずされていく。
「待っ──」
「待たねぇ」
声を出せば遮られる。
彼の手はとまらない。
「待って……」
「ヤダ」
「待ってって……」
「ヤダ」
「……待ってってば、バカっ!」
ボタンをぜんぶはずし終わった彼の手をつかんでとめた。
「きょ、今日は、ダメ……。勉強したい……」
もうすぐ、学校で定期テストがある。
だから放課後は勉強を優先させたかったのに……。
昨日も一昨日もその前もまたその前も、暁は私をマンションのこの部屋に連れ込むなりすぐ抱いた。